内科

内科(家庭医療科)

循環器内科は心臓や血管、皮膚科は皮膚、乳腺外科は乳腺を診るというように、”家庭医療”とは特定の臓器や疾患を専門的に診る医療ではありません。
“家庭医療”はそれを提供する“家庭医”が勤務する地域のニーズ(=何を求められるか)によって変わります。
高齢者や子供の割合、仕事や生活の内容、気候や環境、特定の感染症やけがが発生しやすいなど、それぞれの地域によって問題が異なり、求められる医療も様々だからです。
“家庭医療”とは医者が定めるものでなく、そこに住む人たちの要望によって変化していくものと私は考えます。

地域におけるプライマリーケア

プライマリーケアとは、風邪を引いた、蕁麻疹がでた、何かに噛まれた、刃物で切ったなど「日常生活での健康問題にまず第一に対応する」ことです。
大きな病院に行って専門の医師に診てもらうべきか迷ったら、まず“家庭医療科”に相談してほしいです。

超高齢化社会の困り事への対応

“家庭医”は、訪問看護・訪問診療・ヘルパー導入など社会的サービスの導入、そのための介護申請の相談、そして終末期のお看取りまで、病気の治療とは別の社会的な相談にも対応します。そのため“家庭医“はソーシャルワーカーやケアマネージャーなど、様々な職種との連携にも熟練しています。

「患者さん自身」に注目した診療

例えば、痛みが続く患者さんを診る場合、ただ鎮痛薬を増やすだけでなく、その背景に注目します。そうすると、痛みの根本的な原因として、心やお金、人間関係や家族環境など、様々な背景が見え始めます。こういった背景(=個人的なエピソード)は、同じ症状でも患者さん一人一人で違っており、なかなか治らない病気を治療する糸口となることがよくあります。

「地域」の健康問題に目を向ける

ここでいう「地域」とは地方や地区だけでなく、施設・病院・学校・会社など「人の集まり=集団」も含みます。当然、これらの集団には、それぞれ特有の健康問題があり、“家庭医”はこれらに介入することで「地域」の健康を守り、さらなる活性化に助力します。

どんな病気でも治療してくれるのか

私自身、三重大学の総合診療科で学び、複数の急性期病院や診療所で幅広い研修を行ってきました。もちろん、一般的な疾患であれば、幅広く治療できます。
しかし、“家庭医療”はTVドラマで描かれるような完璧かつ万能の医療ではありません。重症や複雑な疾患の場合、専門医に診てもらった方が患者さんに有益と判断することが多々あります。その場合、スムーズに専門医の治療が受けられるよう、大きな病院と連携を図ります。
つまり“家庭医療”とは、「健康問題の入り口受付、道案内、架け橋」と言えるでしょう。

最後に

“家庭医”という言葉は実は昔から使われていましたが、はっきりとした枠組みは現在も決められていません。
簡潔に言うと“家庭医”は“一般的な病気に広く対応し、必要があれば速やかに専門病院への橋渡しとなる医者”、または“地域の健康を守り、そこに住む患者さん自身を見つめた診療を大切にする医者”でしょうか。
さらに平たく言えば、“健康問題のゲートキーパー、もしくはフロアマネージャー”なので、病気や健康のことで困ったら、まず“家庭医”に相談していただけると嬉しいです。

担当医紹介

内科医長 志田 幸太

平成24年 川崎医科大学卒業
平成27年 三重大学医学部付属病院医局員
名張市民病院 勤務
平成28年 みえ医療生活協同組合 高茶屋診療所 勤務
平成29年 名張市民病院 勤務
平成30年 亀山市立医療センター勤務
平成31年 県立一志病院 勤務
令和元年 桜木記念病院 勤務
令和2年 桜木記念病院 内科医長

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